|
| セの優勝争いでトップをひた走る中日。12球団トップの盗塁阻止率を誇る“扇の要”谷繁らの守備面での活躍も見逃せない【 写真は共同 】 |
セ優勝争い独走の裏に
7月30日の中日対巨人15回戦(ナゴヤドーム)。2対2の同点で迎えた7回裏、中日は満塁のチャンスをつくると、代打高橋光信の内野ゴロの間に2点を勝ち越した。巨人のサード古城茂幸が間に合わないホームへ悪送球したためだ。中日の勢いに押された巨人の「球際」の弱さが明暗を分けた試合だった。今季、巨人の失点に絡んだ野手の失策数は28。一方の中日は両リーグ最少の12に抑えている。抜群の投手陣や粘り強い攻撃力などを誇る中日だが、ペナントレース独走の裏には「手堅い守り」があることも忘れてはいけない。
鉄壁の内・外野がチームを支える
中日バッテリーの許した二塁打111本は両リーグ最少。試合数が異なるものの、例えば巨人に比べると約2割、横浜とでは約3割以上少ない。これは英智、福留孝介、アレックスら外野陣の守備範囲の広さが要因と考えられ、奪った走塁刺34が両リーグトップであるのは彼らの強肩の度合いを表している。
レギュラー捕手、谷繁元信の盗塁阻止率は両リーグトップの5割をマーク。中日の許した盗塁はわずか22しかなく、12球団で最も少ない。巨人を見ると51も走られている。また許した犠打51も両リーグ最少であり、犠打が絡んで失点した回数27は2番目の少なさである。さらに先頭打者の被打率2割3分7厘は両リーグで最も低い。たとえ先頭を許したとしても、そこから失点する確率は41.7パーセントと両リーグ最低に抑えているのは、捕手を含めた内野、外野の守備力のたまものと考えられるだろう。
ライバル阪神も“守”では劣らず
中日は球宴以降、阪神、巨人との6連戦に全勝。堅い守備力と防御率2.80の投手力を武器に、独走態勢に入りそうな勢いに見える。だが、中日を追う2位阪神にも、中日に負けない守備の力がある。 中日(川上憲伸、山本昌、佐藤充)、阪神(井川慶、下柳剛、福原忍)のローテーション投手3人が奪った併殺打で内野守備を比較してみよう。前半戦で奪った併殺打は、併殺が可能な条件下(中日、阪神ともほぼ同じ打数)で中日が23に対し、阪神は30とかなり多く、井端弘和、荒木雅博以上に、鳥谷敬、藤本敦士の二遊間の働きは大きい。 外野守備については、阪神の許した二塁打126本は中日に次いで少なく、何より両リーグ最少の51被本塁打にとどめている点も、後半戦に向けて自信となるだろう。
中日と阪神のゲーム差は6に広がったが、阪神も優勝の望みを残している。打線にやや陰りが見えるものの堅い守備を軸にこれから追い上げれば、セ・リーグを沸かせる力は十分にあると見る。 ※記録は7月30日時点
<了>
■小野俊哉/Toshiya Ono
岡山県出身。早大卒。スポーツデータの配信サービスを行うスポーツ・アクセス代表取締役。プロ野球の大物OBを迎えてのトークライブ『白球伝説あの時、あの瞬間〜未来へ繋ぐ』を2006年から開催(1回目は2月5日古葉竹識・元広島カープ監督)。詳しくはHP『プロ野球plus!』から。HPでは無料会員向けにカラーグラフ、データを公開し、新しいプロ野球の楽しみ方の提案を続けている。『プロ野球マスターズリーグ』、『茨城ゴールデン・ゴールズ』へ公式記録を配給。 スポーツアクセスHP:http://baseballplus.jp/
|