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構成:スポーツナビ
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ミスが続出した巨人 「想定外」の敗戦
プロ野球解説者・大塚光二の日本シリーズ解説

2009年11月4日(水)
5回、投手からのけん制で誘い出され、アウトになる木村拓。巨人は痛いミスが続出した
5回、投手からのけん制で誘い出され、アウトになる木村拓。巨人は痛いミスが続出した【写真は共同】

 日本シリーズの第4戦が4日、東京ドームで行われ、北海道日本ハムが8対4で巨人に勝利した。この結果により対戦成績は2勝2敗のタイとなった。
 スポーツナビでは、日本シリーズの毎試合後にプロ野球解説者・大塚光二氏による特別解説をアップ。現役時代の98年に敢闘選手賞を受賞し、通算打率3割9分7厘と日本シリーズで勝負強さを発揮してきた大塚氏は、巨人と日本ハムの第4戦をどう見たのか?

■全体的に押していたのに痛いミスが続出

 今日の試合は巨人にとって「想定外」の敗戦でした。もちろん勝負なので負けることはあるんですが、今日は予想もしていなかったミスがあまりに多すぎた。ダメージの大きな負け方でしたね。

 まずは1回の小笠原です。無死一、二塁で迎えた打席ですから、何としても走者を進めなくてはいけませんでした。小笠原が初球にバントの構えを見せたのも、「走者を進めたい」という気持ちの表れだったと思います。しかし、2球目の変化球を打ってファーストファウルフライ。打球を転がして1死二、三塁や1死一、三塁をつくっていれば戦況は大きく変わっていたはずです。
 日本ハムは負ければ王手をかけられるわけですから、先発・八木にはプレッシャーがかかっていました。そこでいきなり無死一、二塁と最大のピンチを背負ったんですが、小笠原を打ち取ったことで、落ち着きを取り戻すことができました。ここから本来の腕を振るピッチングができたので、このあとも八木はピンチを乗り越えることができました。もし、小笠原が走者を進める打撃でつないでいれば八木が早い段階でKOされる可能性もあったと思います。
 小笠原は9回の打席でヒットを打って、二塁を狙ってアウトになりましたが、これも痛かったです。まだ4点差ありますから、ここで小笠原が二塁を狙う必要はないんですね。もちろん、小笠原はこうした試合の流れの重要さを良く分かっていますから、本人にとっても悔やまれるミスだったと思います。

 5回には木村拓がけん制に誘い出されてアウトになりました。無死一塁で代打・大道が打席にいる場面。フルカウントだったので木村拓はスタートを切ったんですが、ここで一番やってはいけないのがけん制でアウトになることなんです。もし、大道が三振して盗塁もアウトで併殺となったとしても、それはベンチの作戦ですから仕方ありません。しかし、スタートを焦ってアウトになってしまっては何も残りませんし、チームの追い上げムードもなくなってしまいます。巨人は5回まで毎回ノーアウトで走者を出しながらも、1点しか取れていなかった。木村拓にはそうした焦りがあったかもしれませんが、だからこそもっと注意すべきでした。
 巨人は6回と8回以外はノーアウトで走者を出しました。全体的に押していたのは間違いないんですが、そこでミスが出て得点できずに敗戦。ダメージは非常に大きいですね。

■東京ドーム3連戦で日本一を決めたかった巨人

 そして巨人にとってもうひとつ「想定外」だったのは、東京ドームで3連勝して日本一を決めたい、それができると思っていたのに今日敗れたことなんです。
 戦力を考えると巨人の方が地力はあります。第2戦ではダルビッシュの力投で敗れましたけど、東京ドームでは3連勝を狙っていました。それだけの力がありますし、手ごたえも感じていたはずです。それなのに、今日の試合を自らのミスで落としてしまった。日本ハムが熱望していた「札幌ドームに戻る」ということが現実になってしまった。こうなると、第6、7戦ではダルビッシュが投げてくるかもしれませんし、総力戦では何が起こるか分かりませんから、巨人にとっては不安要素が増えてきます。

 巨人にとってプラス材料になるのは8回のラミレスの3ランです。ここまでラミレスは打点ゼロと、「逆シリーズ男」になりかけていました。しかし、ここで本塁打が出たことで明日以降のラミレスの打撃は変わってきます。今日は1、2番も活躍しましたし、巨人打線は全員に当たりが出てきました。そういう意味でもラミレスの本塁打は大きかったです。

 一方の日本ハムにとっては非常に大きな1勝です。「1勝して札幌に戻る」というのが日本ハムの東京ドーム3連戦で最大の目標でしたから、それを達成できたことは自信になりますし、ゆとりも出てくるでしょう。戦力的には巨人が有利ですが、今日の結果を受けて本当の「五分五分」になりましたね。

 ここまでの戦いを見てきて、日本ハムの外野守備が投手陣を大きく助けていると思います。打球に追いつくスピードや肩の強さもそうなんですが、ポジショニングがいいので簡単に打球を抑えているように見えます。二塁打や三塁打になりそうな打球をひとつ前の塁で止めてくれるので投手は心強く思うでしょう。巨人のセンター・松本の守備もスピードがあって素晴らしいんですが、プロで同じ外野を守っていた者として、日本ハムの外野守備のレベルの高さを感じますね。

<了>

■大塚光二/Koji Otsuka

現役時代は西武の黄金時代を支え、現在はプロ野球解説者として活躍する大塚光二氏
現役時代は西武の黄金時代を支え、現在はプロ野球解説者として活躍する大塚光二氏【スポーツナビ】

 1967年8月26日生まれ。兵庫県出身。育英高−東北福祉大−西武。180センチ、78キロ。右投げ左打ち。育英高で本格的に野球を始める。東北福祉大では主将を務め、同級生の佐々木主浩(元横浜・マリナーズ)、後輩の金本知憲(阪神)らとプレーした。89年のドラフト3位で西武に入団。抜群の勝負強さで西武の黄金時代を支えた。2001年に引退後は野球解説者として活躍。社会人野球クラブチーム「一球幸魂倶楽部」の監督も務めている。
 この秋には出演しているJ SPORTSの人気番組「ガンバレ日本プロ野球!?」が待望のDVDに。ゲストとして最多出演を誇る金本知憲の登場回を収録している「ガンバレ日本プロ野球!? 金本知憲編 〜こんなアニキはどうでしょう?〜」が10月23日に発売された。

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