中日、苦戦の末つかんだ“優勝”の意義
SKvs.中日決勝戦リポート(1/2)
2007年11月11日
アジアシリーズで優勝し胴上げされる中日・落合監督 【 共同 】
4試合目で実戦感覚を取り戻した
落合ドラゴンズにとっては苦しんだ末のアジア制覇だった。アジアシリーズ前の会見で、「シーズン中と同じような野球をやるだけ」と語っていた落合監督だが、いざシリーズに入ってみると、主砲ウッズのいないドラゴンズ打線の迫力は、シーズン中に比べ半減していた。今大会の中日のクリーンアップを務めたのは、森野、中村紀、李炳圭の3人。後を打つ井上が好調な打撃を見せても、結局、落合監督はこのクリーンアップを最後まで動かさなかった。SKワイバーンズとの決勝が始まるまでの3試合で、クリーンアップが放ったヒットはそれぞれ1本ずつの計3本。打率は3人とも1割を切っていた。決勝で5番の李が2ランを放ったが、森野と中村紀はいいところを見せることなく終わった。
それでも、初戦に敗れたSKに決勝で雪辱を果たすことができたのは、選手が実戦感覚を取り戻したからだろう。2試合目の統一戦の後、「もう少し選手の足が動いてくれれば」と落合監督はコメントしたが、4試合目にしてやっと選手が本来の動きを取り戻したのかもしれない。日本シリーズが11月1日に終わり、一度途切れた気持ちを実戦モードに戻すのに思った以上の時間が必要だったようだ。
「勝つ難しさを学んだ」大会
SKとの決勝は、中日のペースで進んだ。先発の山井大介は、初回こそストライクゾーンの違いに苦しみ先制点を許したものの、その後は持ち直して7回を3失点。7回終了時点で5−3とリードする展開だった。8回から登板した岡本が2ランを浴び、終盤で同点に追いつかれたが、最後は井端の一振りで接戦を制した。殊勲打を放った井端が、「(初戦に負けているので)チャレンジャーという気持ちで臨んだので、気持ちは楽だった。一度対戦したので、相手を大体把握することができたのが良かった」と話すように、選手たちの動きから硬さは取れていた。
落合監督は決勝を振り返り、「途中スクイズで追加点を取りにいくことも考えた。しかし日本シリーズでそういう野球をやっていないので、選手たちにその場の判断で自由にやらせた」と語り、最後まで“選手たちで考え、選手たちで試合を進める野球”を実行した。それが落合監督の普段どおりの野球だった。
「勝つ難しさを学んだ。周りは中国相手に負けることはないだろう、と思われるかもしれないが、この大会で一番プレッシャーがかかったのは中国戦。勝つ難しさ、野球の難しさという原点に返って選手が今後の野球人生に生かしてくれれば、この大会は優勝以上の意義がある」と、落合監督はこの大会を振り返った。そして、「去年日本シリーズに負けてから、やっと一区切りついて終われるかな。今はゆっくり休みたい。でも若い選手たちはすでに練習を始めているので、第二の井端、荒木、森野をどう育てようかと考えている。この時点から2008年の野球は始まっている」と早くも来シーズンを見越した言葉で会見を締めくくった。
<text by 山岸耕太>
<続く>
- ◆前後のページ |1|2|
.



