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コナミカップ KONAMI CUP アジアシリーズ2005  
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韓国 サムスンライオンズ(KBO)

■韓国野球を変えた男ソン・ドンヨルが日本に凱旋

『韓国のニューヨーク・ヤンキースか? それとも読売ジャイアンツか?』
 2005年初頭、韓国メディアはサムスンをこう評した。韓国球界屈指のスラッガー・シム・ジョンスを4年総額で最高60億ウォン、韓国を代表するショートストップ・パク・ジンマンを同じく4年・最高39億ウォンで契約と、大物フリーエージェント(FA)選手を高額で獲得したからだ。チームの平均年俸も球界初の1億ウォン(1ウォン=約0.11円)を突破した。しかし、前出の2球団と違うのは、きっちり3年ぶり3度目の「韓国シリーズ制覇」という結果に結び付けたという点だ。

 スター軍団を率いるのは新人監督・ソン・ドンヨル。「名選手名監督にあらず」という言葉を吹き消すかのように、中日でのコーチ研修、そしてサムスンでのヘッドコーチと指導者としての準備をしっかりと重ね、今季からの監督就任要請を受諾した。 豪華なメンバーをそろえたサムスン。しかしソン監督が掲げた野球は意外にも「守る野球」だった。まるで打撃陣の不振を予測するかのように…。優勝はしたものの、3割打者(規定打席以上)はゼロ。サムスン長年の弱点だったショートの穴を埋めるために獲得したパク・ジンマンが、沖縄での練習試合で右手のひらを負傷したため、開幕に間に合わず。シム・ジョンスは28本87打点と年俸に見合った活躍とは言えず、地元ファンから厳しい目で見られた。また、首位打者争いの常連、ヤン・ジョンヒョクも歴代最多となる通算1800本安打を達成するも、自身過去最低の2割6分1厘でシーズンを終えた。

 そんな野手陣の中で光った活躍を見せたのが、二人の内野手、キム・ジェゴルとチョ・ドンチャンだ。キム・ジェゴルは安定した守備力を持つも、毎年打力で勝るライバルが代わる代わる移籍してきたため、なかなかレギュラーをつかめなかった。2004年には球界トップのセカンド・パク・ジョンホ、さらに今年はパク・ジョンホの加入で、ますます状況は厳しくなっていった。しかし、そのパク・ジョンホのケガでキム・ジェゴルは思わぬチャンスを得る。9年ぶりに出場試合が100試合を超え、特に4月下旬から5月にかけては打撃好調でチームの7連勝に貢献。「使い続けてくれた監督に感謝したい」というキム・ジェゴルは、韓国シリーズでも第1戦で負傷退場のパク・ジンマンに代わって出場し、2本のタイムリー二塁打。第2戦は3打数3安打でサヨナラ勝利のおぜん立てもするなど、その活躍は神がかり的だった。
 また、チョ・ドンチャンは野手一番の成長株だ。パク・ジンマンにショートを奪われるも、サードにコンバート。サムスン不動のサード・キム・ハンスをファーストに追いやり、1年を通してレギュラーの座を守った。シーズン後半には1番に定着。終わってみれば本塁打、盗塁でチーム2位の結果を残した。

 投手陣の中で優勝の立役者といえば、なんといっても韓国シリーズMVPで新人王のオ・スンファン(10勝1敗16セーブ、防御率1.18)だ。春先はセットアッパーとしてクォン・オジュンの前を投げていたが、クォン・オジュンが右肩痛で戦線を離脱すると、ストッパーに大抜てきされ、重い直球とスライダー、そして抜群のマウンド度胸を武器に、打線が振るわなかった夏場に大活躍を見せた。8月はチーム10勝のうち8つに絡み、その間の失点は0。うち1点差ゲームが5試合と、いかに緊迫した場面で結果を残したかが分かる。
 先発陣は球界“ビック3”の一人、ペ・ヨンス(11勝11敗2セーブ、防御率2.86)以外、安定した投手がいなかったが、クォン・オジュンが離脱した間、アン・ジマンがオ・スンファンまでのつなぎをしっかり務め、「先発が5回持てばなんとかなる」という状況をつくった。韓国シリーズでも5-2-2(先発5回、中継ぎ2回、オ・スンファン2回)で4タテしたサムスン。アジアシリーズでも同様の戦い方となる。

 ペ・ヨンス、バルガス(元中日)、ハリカルラの先発3枚が5回まで最少失点で抑え、オ・スンファンが最後を締める。サムスンが初代アジア王者に輝くには、これ以外の方法はあり得ない。(文/室井昌也)

■室井昌也/Masaya Muroi
1972年東京生まれ。レポーター・MC業の傍ら韓国プロ野球の伝え手として、アジアシリーズでは公式プログラムに執筆、中継放送局への情報提供などを行う。著書「韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑」(小学館スクウェア)は毎年発行
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