コラム
大リーグ挑戦で“格差”が生まれる理由とは!? (2/2)
日米球界を経験したデニー友利氏が解説
■「自由の国」でダルビッシュに自由はない!?
――ダルビッシュは成功できるでしょうか?
ここでダルビッシュが失敗すると、日本人投手の評価もまた下がってしまいますから、責任は大きいです。今後の大リーグに挑戦する選手の命運を握っているとも言えます。15勝できれば良いですが、10勝で終わると評価を下げてしまうでしょう。それだけのお金がかかっていますから。
アメリカは自由の国というイメージがあると思いますが、高額の年俸をもらっている選手に自由はありません。高いお金を払っているからプランが全て決まっていて、選手は「ノー」と言えないのです。これは本当に細かく、1日、1日決まっています。ケガをしたり、調整が遅れたりするとトレーニングコーチは解雇されることもあります。
日本では活躍すればするほど、自主的な調整を任せられて自由になります。しかし、メジャーでは逆に高額年俸をもらっている選手ほどプランが決められています。
ダルビッシュにこうした話をしている人が周囲にいると信じたいのですが……今年のダルビッシュは自由にやっていたように見えます。管理される部分に適応できないと、リズムが崩れて壁にぶつかってしまいます。そこが不安材料です。
■岩隈の投球に高評価も、不安は肩のダメージ
――黒田はなぜ大リーグに適応できているのでしょうか?
黒田とは契約のことも含めて、いろいろな話をしていますが、「アメリカに来たのだから吸収したいし、取り入れたい」という考え方をしていることが成功につながっていると思います。今季はひざ元にツーシームを投げて三振より内野ゴロを打たせる投球で結果を残しました。日本にいた時はフォーシーム、フォーク、スライダーで三振を取っていましたが、今はフォーシーム、きれいな真っすぐはほとんど投げません。三振を取るという自分の理想を捨てて、メジャーに適応したわけです。
――大リーグ挑戦で成功しそうな選手は?
岩隈だと思います。岩隈は低めに投げて内野ゴロを打たせるピッチャーですから。日本のプロ生活で内野ゴロを打たせて、球数を減らすことを覚えた点はプラス材料です。
ただ、岩隈の場合は肩に不安があります。メジャーのボールは重くて、森慎二(元西武/デビルレイズ)も右肩を脱臼したことがありました。先発ローテーションに入れば日本ではほとんど経験しなかった中4日の登板になるので、肩のダメージをどう付き合っていくかがポイントになると思います。
<了>
■デニー友利
1967年9月21日生まれ。沖縄県出身。興南高−大洋/横浜−西武−横浜−レッドソックス−中日。
現役時代は闘志あふれる投球で、リリーフとして存在感を示した。2005年にはレッドソックスのマイナーでプレーした。現役引退後はレッドソックスで国際担当顧問兼巡回コーチを務め、野球解説者としても活躍。2012年からは横浜DeNAの1軍投手コーチに就任する。


