コラム
ヤンキースの“マネー”ボールに注目 (1/2)
サバシアを本命にFA投手獲得に乗り出す
■本命左腕へ破格のオファー
「株価暴落」、「景気後退」、「大企業の人員削減」……。暗いニュースが多い昨今のニューヨークだが、ヤンキースの周辺だけは景気の良い話が続いている。
ホワイトソックスからトレードでニック・スウィシャー外野手を獲得したのを皮切りに、他球団のフリーエージェント(FA)選手との交渉が解禁となった14日(現地時間)には、目玉左腕C・C・サバシア投手にオファーを提示。スピードもさることながら、驚くべきはその内容だ。地元紙の報道によると、ヤンキースの条件は6年総額1億4000万ドル(約136億円)にも達すると言われており、昨オフにメッツがヨハン・サンタナ投手と結んだ6年総額1億3750万ドル(約133億円)を凌ぐ、投手の史上最高額であるという。
ブルワーズの提示額は伝えられているところで5年総額1億ドル(約97億円)であり、それを大幅に上回る超高額オファーに、同球団のダグ・メルビンGMは地元紙に「非常識」と不快感をあらわにしたようだ。しかし先発陣のてこ入れが急務のヤンキースにとって、8年間で117勝、年平均約32試合登板を記録するタフネス左腕はのどから手が出るほど欲しい存在。来季から新球場に移転し、増収が見込まれる金満球団がなりふり構わぬ“マネー”ボールを実行するのは予想されたことだった。
だが、これはほんの始まりに過ぎない。
■マネー戦略から伝わる“必死さ”
18日付の地元紙『ニューヨーク・ポスト』は、ヤンキースはブルージェイズからFAとなっているA・J・バーネット投手に対し、5年総額8000万ドル(約77億円)程度の条件を提示する用意があると報じた。さらに、ドジャースのFA右腕、デレック・ロー投手獲得も視野に入れているという。一部では先発3枚をFAで補強するという話も出ているが、打てる手はすべて打っておきたいというヤンキースの必死さが表れているようにも見える。
というのも、大本命のサバシアは西海岸、特にナショナルリーグでのプレーを強く希望。また複数の米メディアの報道によると、バーネットは自宅が近いボルティモア、ローは古巣レッドソックスでのプレーに興味を示しているという。14季ぶりにプレーオフ進出を逃したヤンキースの、「世界一に最も近い」といううたい文句はもはや過去のもの。潤沢な資金力に頼ったマネー戦略こそが、残された唯一の道なのかもしれない。


