コラム
松井、ヤンキース復帰の可能性を検証 (1/2)
“出来過ぎのシナリオ”が実現!?
■非現実的な話ではなくなった松井の古巣・ヤンキース復帰
もう1月も終わりに近づくというのに、松井秀喜の去就がまだ決まっていない。そしてここに来て、DHの需要がありそうなチームはもうほとんど残っていないという厳しい状況になってきている。
ビクター・マルチネスの負傷離脱ゆえに代役DHを探していたタイガースが、1月24日にフリーエージェント(FA)のプリンス・フィルダーと9年2億1400万ドル(約167億円)の大型契約を結んだと発表。また1つ候補チームが消え(タイガースはフィルダーに一塁を任せ、DHを求める線もあるが)、松井にとって当面の可能性があるのは、とりあえずヤンキースのみとなりそうである。
昨夏にも一部の日本メディアが盛んに松井のヤンキース移籍説を唱えたが、当時はリアリティーはゼロだった。しかしここに来て状況は急激に変化し、古巣への復帰はまるで非現実的な話というわけではなくなっている。
昨季に主に右投手用のDHを務めたホルヘ・ポサダが今オフに引退。代役DHとなる予定だった成長株のヘスス・モンテロもマイケル・ピネダの交換要員としてマリナーズに放出された。同時に今オフのヤンキースは珍しくペイロール(チーム全体の年棒予算)に制限を設けており、DH補強に費やせる額は100〜200万ドル程度。この金額で獲得できそうな実績ある左打者は限られてしまう。だとすれば……。
ほとんど“チェーンリアクション”と呼べそうなこれらの出来事の末に、今なら安価で契約できる松井の名前もヤンキースのリストに載ったというわけだ。
■険しい古巣復帰の可能性
ただ松井復帰は「非現実的な話ではなくなった」とは言っても、「可能性が高まっている」とはとても言えまい。
「(DH候補として)名前が挙がっている選手たちの質に問題があるわけではないが、まずトレードのマーケットを探ってみるのが第一になる。私たちは先発投手の数を余らせていて、需要はあるかもしれないしね」
ブライアン・キャッシュマンGMは1月23日の電話会見でそうコメント。さらに24日にヤンキースタジアムで行なわれたポサダの引退会見時にも、日本人メディアに同様のことを語っていた。
確かに現時点でCC・サバシア、黒田博樹、マイケル・ピネダ、イバン・ノバ、フレディ・ガルシア、フィル・ヒューズ、AJ・バーネットと7人の先発投手を擁するヤンキースにとって、誰か1人をトレードして強打者を獲れれば理想的ではある。
またFAから選ぶことになったとしても、昨季は松井と同程度の成績だったジョニー・デーモン、ラウル・イバネスらの方が使い勝手は良いかもしれない。少し乱暴に言えば、松井はほかに選択がなくなった際の「保険」として考えられているのが正直なところか。そんな立場だけに、例え何らかの事情で復帰が現実のものとなったとして、年俸以外の条件も厳しくなるはずだ。
左投手が先発の際にはアンドリュー・ジョーンズがDH起用される予定。アレックス・ロドリゲスやデレック・ジーターらのベテランも、週1度はDHに入るかもしれない。だとすれば、松井の出場は週2〜4戦のみ。そして近年はスロースターター傾向が顕著な松井が前半戦で出遅れた場合、せっかちなヤンキースからその時点で戦力外通告されても不思議はない。
もちろんこの期に及んで、松井側に選択の余地はほとんど残っていないのは事実。ただケガ人は必ず出るものだから、キャンプの時期を迎えても焦らず、辛抱強くオファーを待つのも手ではある。層の厚いヤンキースに入ってしまったら、出場機会に恵まれないまま使い捨てられることにもなりかねまい。
・大リーグ挑戦で“格差”が生まれる理由とは!? (2011/12/27)
・レンジャーズ、オリオールズなどがダルビッシュへの興味示す=2011年GM会議の舞台裏 (2011/11/18)
・松井秀喜・選手情報 (2012/1/25)
・松井、プレーオフを狙う球団に移籍の可能性は? (2011/8/26)
・松井らしく打ち建てた金字塔=日米通算500号本塁打達成 (2011/7/21)


