松井秀喜(ヤンキース)や井口資仁(ホワイトソックス)、城島健司(マリナーズ)らが出場辞退したり、各球団の足並みがそろわなかったりと決して最高メンバーとは言えない。だが、日本が出場16チームの中でも戦力的に充実しているのは間違いないだろう。2000年のシドニー五輪ではプロとアマの合同チームでメダルなし。オールプロで挑んだ04年アテネ五輪では銅メダルと最近の国際大会で期待どおりの結果を残せていない日本。世界本塁打記録を持ち、メジャーリーガーの中でも“レジェンド”な存在である王貞治監督の下、WBCではどこまで戦えるのだろうか。 日本の特徴は豊富な駒がそろう投手陣と機動力が挙げられる。特に国際大会の経験、日本球界での実績を兼ね備えた投手がそろった先発陣は、世界でもトップクラスと言える。シドニー、アテネと2大会連続五輪を経験している松坂大輔、アマチュア時代から全日本入りし、アテネ五輪でもエースとしてチームを引っ張った上原浩治、世界では珍しい下手投げの渡辺俊介、アテネで実績のある和田毅、05年のパ・リーグ最多勝を獲得した杉内俊哉、アテネ五輪では中継ぎで活躍した“ミスター完投”黒田博樹、ロッテ日本一の立役者である清水直行と小林宏之ら8名が先発候補。中心となるのは、松坂、上原、渡辺あたりか。松坂の球威、変化球のキレはメジャーリーガーにも十分通用する。また球数制限のあるルールの中で頼れるのは、テンポのいい上原だろう。フルスイングをしてくる打線に効果的な変則投げの渡辺の活躍も期待される。サウスポーの和田、杉内も国際大会で通用する実力を持っている。先発陣を選ぶ王監督、鹿取義隆投手コーチもいい意味で頭を悩ませるはずだ。 中継ぎは、シーズン最多登板記録を樹立した藤川球児に、ロッテ不動の中継ぎ陣であるYFKから薮田安彦、藤田宗一が加わり、左右のバランスがいい。さらに先発候補から黒田、清水、小林宏も中継ぎに回ると想定される。抑えにはメジャーで実績のある大塚晶則、05年に37セーブを挙げた石井弘寿が控え、質、量ともに信頼できるメンバーがそろった。 充実した投手陣に比べ、やや心配なのは打撃陣だ。松井秀、井口、城島と中心選手として期待された選手たちの辞退は王監督も誤算だっただろう。パワーで対抗する世界に対して、日本らしい機動力や小技を生かした打線で臨みたい。中心となるのはやはりイチロー。デビューから5年連続200安打のメジャー新記録を作った世界屈指の安打製造機が初めてとなる国際大会でどのような働きを見せるのか。さらに昨季ロッテでブレークしたスピード感あふれるプレーが身上の西岡剛、俊足と小技でソフトバンクの重量打線を支える川崎宗則の2人の出塁率もカギを握る。4番は王監督のまな弟子でもある松中信彦。2回の五輪経験があり、04年には三冠王を獲得するなど日本を代表するスラッガーだ。実績、経験とも十分だが、2年連続プレーオフでスランプに陥るなど、短期決戦に弱い面をいかに克服するかが課題となる。前後を固めるのは、左右に打ち分けられる広角打法に長打力もある小笠原道大、多村仁、岩村明憲、福留孝介ら。日本より外角が広いと言われているストライクゾーンに、クリーンアップがいかに対応できるか。中でも、アテネ五輪で苦しんだ小笠原の奮起が見たい。 また打撃陣と同様に不安なのは、扇の要と言われる捕手。アテネ五輪で正捕手を務めた城島がマリナーズ移籍に伴い、出場を辞退。アテネ五輪予選では第2捕手としてチームを支えた谷繁元信、同本戦に選出された相川亮二、ロッテ日本一に貢献した里崎智也ら3選手で挑む。各チームでは実績があるものの、やはり国際大会の経験の浅さが気になるところだ。 投手力は世界トップクラスだが、身体能力を含めた総合力では米国、ドミニカ共和国に劣り、優勝候補の2番手グループに付けている。特に得点不足が心配される攻撃陣がいかに出塁し、バントで送り、クリーンアップにつなげるか。国際ルールが木製バットに変わって以降は得点力不足が課題となっているだけに、プロ選手の意地が見たい。野球人気の低下が叫ばれる中、野球大国“ニッポン”の誇りをかけて、30人のサムライが世界に挑む。 ※写真は新ユニホームお披露目会見での(左から)今江敏晃、上原浩治、西岡剛【スポーツナビ】
サッカー - 野球 - 格闘技 - モーター - ラグビー - ゴルフ - バスケット - テニス - バレー - ウインター - その他スポーツナビ - ヘルプ - サイトマップ - スタッフ募集 - ご意見・ご要望 | ブログ