選考理由

21世紀枠出場校(出場枠=3)
出場校 山形中央川島向陽
古豪・向陽高などが接戦を制してセンバツへ
奥島会長「9校すべてを選んであげたかった」
 恵まれない野球環境の克服、文武両道の実践、積極的な地域貢献活動など他校の模範となる学校が選ばれる21世紀枠は山形中央高(山形)、川島高(徳島)、向陽高(和歌山)の3校に決まった。21世紀枠特別選考委員の多くが、落選した6校に対し「これら(候補校)を落とすにはとてもつらい作業」とコメント。奥島孝康日本高校野球連盟会長も「できることならば9校すべてを選んであげたかった」と会見で話した。なお、補欠校には新潟高(新潟)と防府高(山口)が選出された。
 以下は選出された3校の選考理由。

■山形中央高(山形・県立)

 県大会準優勝・東北大会8強。センバツは初出場。
 東日本は5校のうち最初の投票でほとんど差のなかった3校に絞られ、議論が進んだ。それぞれを推す意見もそん色なく、最終的にこの3校を対象に再投票を実施。その結果、山形中央高に最も多くの票が集まった。
 野球部は「感謝心」を掲げて登校時や練習前後に率先して学校周辺の清掃活動に取り組んでいる。きっかけは1993年、当時同校の2年生だった庄司秀幸・現監督が呼びかけて始まり、現在ではほかの運動部をはじめ、学校全体に広がっている。2月には山形市を美しくする運動推進委員会から表彰を受ける予定。また2001年には野球部の礼儀正しさ、清掃活動に感銘する地域の人々による「山形中央高校野球部隣組支援会」が発足し応援している。

■川島高(徳島・県立)

 県大会4強・四国大会2回戦。センバツは初出場。
 西日本も最初の投票で3校が横並びとなり、議論が伯仲。川島高は部員数が18人(1、2年生)で、昨秋は県3位校として初めて四国大会に出場し準々決勝まで勝ち進んだ。敗れた試合も準優勝の高知高(高知)にサヨナラ負け。その活躍は、少子化、部員数の減少に悩む学校の励みになるとして高い評価を得た。
 学校は過疎化が進み、年々人口が減少しつつある吉野川市にあり、2006年から併設型の中高一貫校になった。東西100メートル、南北90メートルのグランドはサッカー、ソフトボール、陸上各部や中学のサッカー、陸上部などと中学と共用ですし詰め状態。そんな中、スイング力強化と事故防止のため、ソフトボールを使ったロングティーや外野ノック、バッティングセンターのようにネットと対面で行う打撃練習など約2時間の限られた練習時間の中で工夫を凝らしている。07年4月に就任した北谷雄一監督の教えは「今できることを精一杯やろう」。

■向陽高(和歌山・県立)

 県大会準優勝・近畿大会1回戦。センバツは36年ぶり15回目。
 事前の順位づけで東西ともに接戦となり3校目を選ぶ作業も難航したが、向陽高は戦前、海草中学として春夏の甲子園で輝かしい戦績を残し、高校野球ファンには懐かしい名前。さらに同時に第2次世界大戦に出征して亡くなったOBの嶋清一氏(2008年野球殿堂入り)の伝記本を読み、平和に野球のできるありがたみを痛感している点で推された。また1990年に野球殿堂入りを果たした真田重蔵氏も同校のOB。
 同校は06年には文部科学省から、スーパーサイエンス・ハイスクールの指定を受け、理数系に特化した環境科学科を中心に高いレベルの研究や実験に取り組み、高い知識と技能をはぐくむ。野球部員4人も同科に所属して文武両道を目指している。

※最終候補9校の紹介は21世紀枠候補校紹介を参照
※21世紀枠に関する詳しい解説は出場枠解説を参照

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