コラム

紫紺の大旗を手にした沖縄尚学高
センバツプレーバック(1/2)

2008年04月04日
松倉雄太

今大会屈指の右腕と評判だった沖縄尚学高・東浜は防御率0.66と安定した投球でチームを優勝に導いた

今大会屈指の右腕と評判だった沖縄尚学高・東浜は防御率0.66と安定した投球でチームを優勝に導いた 【 写真は共同 】

大会屈指の右腕にふさわしい活躍だった東浜


 80回目の記念大会となった選抜高校野球大会は、沖縄尚学高の1999年以来9年ぶり2回目となる優勝で幕を閉じた。今大会は3点差以内の試合が28試合、そのうち1点差の試合が13試合とロースコアの試合が多く、3回戦では引き分け再試合も生まれるなど、力の拮抗(きっこう)が目立った。

 エース東浜巨を中心に紫紺の大旗を手にした沖縄尚学高。東浜は140キロ台半ばのストレートに、大きな武器となったツーシームを組み合わせて、大会前の評判にたがわぬピッチングを甲子園で見せつけた。準々決勝の天理高戦でひざに打球を受けて心配されたが、それでも決勝では、1998年の横浜高・松坂大輔(現米大リーグ・レッドソックス)以来となる完封。今大会の通算防御率も0.66と大会ナンバーワン投手と呼ぶにふさわしい内容だった。視察したプロのスカウトが「まだ線の細い下半身がしっかりしてくればもっと良くなる」と話したように、夏へ向けての成長が最も期待できる投手と言える。
 決勝は9得点と奮起した攻撃陣だが、準決勝まで4割打者がいなかった。しかし、走塁、選球眼は高校野球レベルでは考えられないほどの高さを見せ、決勝までの4試合を勝ち進んだ。さらに忘れてはいけないのが守備。5試合で失策が3という立派な数字はもちろんだが、どんな場面にも対応できるようにしっかりと準備していたところに、このチームのすごさを感じだ。26歳にして優勝監督になった比嘉公也監督が夏へ向けてこのチームをどう発展させていくかが非常に楽しみだ。



4強まで勝ち上がったチームの共通点は強力エース


 埼玉勢2度目の優勝を狙った聖望学園高は準優勝に終わった。準決勝までの4試合は序盤に点を取って、エース大塚椋司が抑えるというスタイルで勝ち上がった。球質の重い直球、カットボールがさえた大塚。決勝では疲れを隠せず序盤に降板したが、再登板した8回には気迫のこもったピッチングで0点に抑えるなど、夏につながるピッチングができただろう。

 4強に残ったのが東洋大姫路高と千葉経大付高。両校に共通するのも強力なエースがいたこと。東洋大姫路高の佐藤翔太は3回戦の八頭高戦、準々決勝の智弁和歌山高戦と2試合連続完封。さらに初戦から3試合連続無失策と、猛練習で鍛えられた守備陣が佐藤を支えた。だが準決勝の沖縄尚学高戦では、守りのわずかな綻びが逆転負けにつながってしまった。「守りで負けたのがものすごく悔しい」と堀口雅司監督が振り返ったように、夏へ向けてさらなる守備の強化に期待したい。

 千葉経大付高は準々決勝の長野日大高戦で突如として守りが崩れ7失策。この悪い流れを準決勝の聖望学園高戦でも修正できずに敗れた。だが初戦の興譲館高戦で完封、3回戦で常葉菊川打線を2点に抑えたエース齋藤圭祐のピッチングは見事。さらに齋藤を支えた谷勇哉捕手のリードが光った。3回戦で敗れた常葉菊川高の佐野心部長も「齋藤君のピッチング以上に谷君のリードがうまい」と賞賛。齋藤−谷のバッテリーで夏こそは頂点を目指す。

<続く>

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